この夜は。

僕をまたひとつ大きくさせてくれる。
すばらしいものが多すぎて、偉大なものが多すぎて。格好よいものが多すぎて、圧倒的なエネルギーがあって、次の次の次の段階があって、それがうれしくて、それが悔しくて、叫びたいほどうれしくて、死にたいほど悔しくて。
これ以上なく幸せで。
だけどやっぱり少しだけ泣いて。
きっと今は泣いてよいときだ。
僕を絶対に誰にも天才だなんて言わせない。そんなこと許さない。
僕を絶対に許さない。
僕の唯一の長所だ。
僕はただただ技術も才能も努力もコミュニケーション能力も生きるエネルギーも頭脳も知識も表現も語彙力もただひとつの機転や優しさすらないけれど、ただ唯一僕は、それに気づき、それを知り、良いものに嫉妬し、泣きわめき、井のナカで喜び、考え、くじけ、しかし逃げられないことを嘆き、傷つき、つまり大凡、単純に言えるなら、僕が言えるのならば、悩むという武器があるのだ。
だから僕は僕の本質としてのこれを信じなければならない。
いつだってそれを僕に教えてくれるこの世の中はなんとすばらしいことだろう。